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RUMBLE 【OP 原作沿い長編】

第24章 老人と船



素直に広がる そのメロディは
船上の3人の男達の心にも響いた


ザワザワとした気配が立ち込める



「!!?」


ザッ・・・……バァァァ ──────



数メートル先の水面が丸く大きく盛り上がり、“ジブラ”がその巨体を現した。

まるでその音に呼ばれ出でたように。


大波が二隻の船を大きく揺らす。ローは、その水面の大きな揺れから古い船をかばうように、足を踏ん張って帆を操り、波をやり過ごした。



海王類の登場にも、大波にも演奏のリズムは崩されない。アルコは眉ひとつ動かさずに、弦だけを見つめて奏で続けていた。


「“ジブラ”………
今日こそ決着を着けるか」


「グェー……」


シルバーは銛(もり)を手繰(たぐ)り寄せたが、現れた“ジブラ”の様子が いつもと違うことに感付いた。その巨体に不釣り合いな小さな手を懸命に動かしながら、つぶらな瞳からポロポロと涙をこぼしていた。

シルバーは立ちあがり、“ジブラ”に向き合う。シルバーも歯を食い縛り、涙を流していた。


「わしは……、わしは………!

お前が、もう何を言っておるのかわからんのじゃ……!

お前を疑った、『あの日』から
お前の声が、聞こえんのじゃ……

お前は…、わしは…、『あの日』何をした…?
お前はわしに、何を伝えたいんじゃ…」


「クェッ……、クェェッ!  グェー……」


必死に訴えているのに
聞こえない お互いの主張


「ここにいるよ」って
ずっとそばにいて
訴え続けてきたのに
認識されない 存在


少年も呆然と立ち尽くした。


アルコの音色は
彼らの届かない会話の邪魔になるどころか

彼らの言語になるように
一音一音が粒だって
彼らの心に染み入った。



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