第24章 老人と船
まるで海からの授かり物。
琥珀(こはく)色の髪に、左右の瞳はそれぞれ緑色と青色の女の子の赤ん坊に、シルバーと妻は『アンバー』と名付け、その赤ん坊を大事に育てた。
アンバーはシルバーの船に乗ることを好んだ。
いつかの海王類には“ジブラ”と名付け、よく一緒に漁に出た。
やがて妻と共に街で魚を売るようになったアンバーは、街で知り合った青年と恋に落ち、結婚した。
頑固親父さながらに 婿を殴ったことも、娘を愛するからこその、今となっては いい思い出。
アンバーは男女の双子を産んだ。
しかし、今から20年前
家族はバラバラになった。
青い瞳をした女の子が
5歳で死んだ時に ────
不可解な事故だった。
アンバーと
その夫と
シルバーの妻は
その責任について
互いを疑ったり
自分を責めたり した。
事故当時、ひとりで漁に出ていたシルバーは、3人を必死に慰め、許し、寄り添った。
しかし、強い『後悔』と『悔恨』と『猜疑』を抱えた3人はなかなか前を向かなかった。
周りを巻き込んだ不可解な事故。
真相は“神”にしかわからないのにも関わらず
子供を
孫を
失った悲しみを癒す間もなく
周囲からも、自分達同士でも
責めあい、疑いあい、傷つけあった。
3人はその責任に押し潰され、なかなか前を向けなかった。
シルバーに出来ることは、残された緑色の瞳の男の子の孫を守ることくらいだった。
やがて、失意のままにシルバーの妻は亡くなり、代わりに男の子がシルバーの家で暮らすようになった。
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