第24章 老人と船
「ローは海王類の声が聞ける?」
「………いや」
“万物の声が聞ける”
そんな伝説は聞いたことがあるが、自分に その素質があるとは思えない。
「じいさんは もう“ジブラ”の声が聞けない。だから“ジブラ”が何を言ってるのかが、わからないんだ。
だから あの時、何があったのか いまだにわからない…
だから……
ローとアルコなら、ひょっとしたらって。
ぼくの姿が見えた、特別な二人なら、ひょっとしたら…」
やはり、この少年の姿は普通の人間には“見えない”のか
消えたり、現れたり
話してもいないことを悟ったり
おかしいと思った
しかし ────
「おれ達が特別だったとしても、あいにく、海王類と話せるような“感性”は持ち合わせていない」
────── “感性”
そういえば
この少年を初めに認識したのはアルコだ
あの広場で
『どうした。誰と話していたんだ』
『あの子』
『どこだ』
『ほら、そこの。
金髪の、くりくりの。天使みたいな、男の子』
おれには見えなかった
おれには認識できなかった
アルコにそう言われるまで、コイツを認識することができなかった