第24章 老人と船
「キミ達って本っ当に…」
「いたんだ。食べる? もう一個買ってこようか」
少年が何か言いたげだったが、それをさえぎったのはアイス持って戻ってきたアルコだった。
その嬉しそうな顔の原因は、アイスを買えたことだけでなく、少年に会えたことも含まれているようだ。
「大丈夫、いらない。
ぼくはアルコが美味しそうに食べてるとこ見てるだけで、お腹いっぱい」
人懐っこい笑顔でそう言うので、二人は同時に、まったく違う意味で目を細めた。
アルコの口元は笑っているが、ローは口元を下げてうんざりしている。
「……マセガキ」
「いや、女心つかむね~。
ロー、弟子入りしたら? 天使入門」
「…なんだと」
アルコと少年はけたけたと笑った。
アルコの座っていた椅子には少年が座っていたので、アルコはローの隣に座った。
「…怒んないでよ、相手は子供だよ。
ローはちょっと食べるでしょ、ハイ」
アイスを差し出すと、黙ったままそれにかぶりついた。
「うまい」
ローの険しい表情が解かれていく。
アルコは そんなローの頭を本当はヨシヨシしたかったが 子供が見てる前だし、そんなことをしたらローはまた怒り出すのは明白だったので、笑って見ているだけにとどめた。
「どっちが子供だよ」
しかし、少年のその一言でまた雰囲気は逆戻り。
深緑色のパラソルの下で、三人の騒がしいやり取りは しばらく続いた。