第24章 老人と船
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どれくらい眠っただろう。
昼なのか、夕方なのか。
それともほんの数十分 眠っていただけで、まだ朝なのか。
時計もないし、頭もぼんやりする。
横になったままで、瞳だけぐるりと動かす。
視界に入った細長い すりガラスの窓は、白い。
だから たぶん、まだ朝か昼だ。
静かだから、ロー達はまだ帰ってきていない。
それだけわかれば、十分。
“あの少年”が、ココにいる。
それだけわかれば、十分。
「ローとじいさんは、二人で行ったの?」
「そうだよ」
アルコは起きあがらずに瞳だけ向けて言った。
少年がアルコの寝ているベッドの足元に座ったので、アルコは少し足をよけた。
「本当に…大丈夫なのかな」
少しあきれるように笑って言うので、アルコも釣られて笑った。
この子は、ローの心配をしているのかな。
それとも、おじいさんの心配をしているのか。
それとも、もしかして ────
「船なら、大丈夫だよ。私達 海賊だけど、勝手に盗ったりはしないから。ローも無理矢理 奪ったりはしないよ」
安心させるつもりで言ったのだが、「そんなの、わかってるよ」と少年はさらにあきれていた。
あれ、違うの?
船の心配をしたんじゃないの?
キミはあの船の『クラバウターマン』じゃないの ───?