第24章 老人と船
「ホントに、いいの?」
「ああ。アルコは休めよ。疲れてる」
ベッドに横になったまま、ムゥっとした顔をローに向けた。
今日は大きな島をぐるりと半周ほど歩いた。
港から広場へ、造船所からまた港へ戻り、海岸沿いのこの家まで。
同じだけ歩いたハズなのに、自分だけ疲れているなんて。
まぁ…張り合ってもしょうがない。自分の身体のことは、ローのほうがよくわかっているようだし。
口元にタオルケットをあてて、ローを見ていると、再び近づいてきた。
ひたいに手をあてられる。ローの手が ひんやりして、気持ちいい。
───── あれ、ひんやり?
ってことは、やっぱりちょっと熱あるのかな
「やっぱり…。少し治療するぞ」
ローは刀を手元に引きずった。
「どこを?」
起きあがろうとするが、それを制される。
「目を閉じてろ」
真剣に、静かにそう言うので、アルコは言う通りに目を閉じた。
ローが能力を使っている気配がする。
たぶん、
切り離された。
首…?
いや、顔。
喉か。
心拍数があがる。
怖くなって目を開けたくなったので、逆にぎゅっと固くつむると
「…すぐ終わる。楽にしてろ」
優しくそう言われたので、普通の呼吸をすることに集中した。3呼吸数えた後、顔回りの違和感がなくなった。
「治療だからな」
言い訳の後、ローは唇に治療の『仕上げ』を施した。