第24章 老人と船
「小さい船は、造れないの?」
「お嬢さん、“造れない”んじゃなくて“造らない”んだ」
わかってねぇな、といった様子でアルコに語り始める。
「沈むとわかってる船を、どこの船大工が造るってんだ」
「なぜわかるんだ。海王類なら、蹴散らせばいいだろ」
「………あんた、能力者かい」
挑発的な目を向けるローを、設計士の男は厄介そうに見た。
「とにかく、ウチは造らねぇよ。“呪い”扱いされるのはごめんだ。
連絡船なら南の港から出てるから、どこかしらに行きてぇなら悪いことは言わねぇから、でかい船に乗れ」
(“呪い”………?)
質問する間もなくシッシッと払うように手を振られたので、アルコはもらった情報に対してお礼を言ったが、ローは不満そうにいつまでも造船中の帆船を見上げていた。