第23章 応酬
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「疲れたな」
「お疲れさま」
やっと二人きりになった部屋で、ローはため息を漏らした。
アルコは飲み散らかされた部屋を片付けた後、楽なロングのワンピースに着替え、手や顔を洗って寝る支度をし始めた。
「まだ いけるか」
「………なにが。
まさか………っ!? もうムリだよ、勘弁してください」
昼間にイかされまくったことを思い出してしまい、赤い顔で身構えた。ローはニヤリと笑ってから、アルコの肩に 手の甲をぽんと置いて優しく触れた。
「違う。……話があるんだ。
無理に…、とは言わないが」
アルコは真剣になっていくローの顔を見て、気恥ずかしさで固まった。口に握り拳をあてて、小さく咳払いをして気持ちを落ち着かせてから、静かに言った。
「ごめん。……聞かせて」
「まだ 飲むか」
「…もういらない。
できれば風に当たりたい」
*
二人は夜の航海を続けている甲板に出た。
数人の船員が甲板にはいるが、声は届かない距離だ。それに風が強い。
腕のアザを隠すために羽織った黒いストールが風で飛びそうになった。
胸元で押さえたが、ストールとワンピースのスカートが強くはためく。
アルコは目を閉じて強風が過ぎるのを待った。
ローがストールの両端をつかみ、両手で風を受けるように広げてから、肩ごと胸元でギュッとしばった。
「ありがとう」
ローからは笑顔は返ってこない。
甲板の柵にひじをつけて、黒い海に向かい ポツリポツリと話し出した。
“ドンキホーテ・ドフラミンゴ”との関係
恩人である“コラさん”はドフラミンゴの実弟であること
そして“コラさん”がローに執着をみせたきっかけのひとつが
ローの持つ“D”の名前が
原因であることを ────