第23章 応酬
「ローさんとアルコさんは、ご出身は? どこかを居住にしているんですか?」
ディンは自分ばかりが夢を語り出したことに気づき、照れながら話題をそらすように質問をしてきた。
しかしその質問は、アルコを困窮させた。
「私達は……、グランドラインの その辺で知り合ったばかりで………、あ、でも もうそろそろ1年くらいになる? えーっと…」
「そうなんですか?! てっきり“長年連れ添ってる仲”なのかと…」
「んな訳ねェだろ~。こんなに盛(さか)ってるヤツらが」
うっ………
マジェスティには船室でヤってたのがバレてたのか
まさか二人して“白い町”フレバンス王国出身とは言えないし…
しかも、オークションで買われたのが出会いだなんて…
バツが悪い様子で それ以上言いあぐねていると、ローがバッサリと遮断した。
「おれ達のことは詮索するな。
自分達の仕事をしろ。“生物襲撃”の原因はまだわかってねェんだろ」
突き放すように冷たく言われたのに、二人は笑顔を見合わせていた。
得意気な顔のマジェスティが懐(ふところ)から、ヒモにぶら下がった骨の塊ようなものを取り出した。
「それ………蟲笛(むしぶえ)?」
大量の生物襲撃の原因は、蟲笛を改良したもので呼び寄せられていたようだった。
犯人は王国の船医。
混乱の中、ひとりマストに登っていたらしい。
王妃を嫌う祖国の女王の命令で、事故に見せかけてメーガナィン王妃を亡き者にしようとしたのだ。
マジェスティが捕らえて船室に隔離し、王子の尋問にさらされている。
「解決すればナイトの称号間違いなしだと思ったのに」とややこしいことになったことを憤るマジェスティを慰めるディン。
再び話は盛り上がり始め、ローもあきらめた様子で酒を注ぎ直した。
世界の海についてや生き物についての講義、スポーツの話題が尽きることはなく、4人は夜がふけるまで、盃を交わしていた。