第23章 応酬
「しかし、みんな詳しいね。“祖国”で有名なヤツなの?」
二人に目を向けると、なぜかマジェスティがディンを指して誇らしげにローに言った。
「コイツの本を読んだんだろ」
指されたディンは照れた様子で眼鏡を触る。
ローは何かに気づき、グラスを置いて、顎髭に手をあてて固まった。
「!………D・ウィン………、ディン、お前が…アレを書いたのか」
「…!!」
アルコも“D・ウィン”という名前には聞き覚えがあった。
以前、潜水艦のローの部屋で深海生物の図鑑をみせてもらった時。ローとベッドの中でパラパラとめくっていた本は幾人かの研究者が共同執筆した比較的新しい図鑑だった。著者の中でも、一番目についたのが“D・ウィン”の名前だ。
ルフィと同じ“D”
彼だけでなく、時折“D”の名を持つ者が世間を賑わせる。
ここにいるディンの本当の名前が“D・ウィン”で、あの図鑑やローが読んだこの寄生虫に関する本を書いた人物らしかった。
“D”とは何なのか ────
「お前も…“D”なのか……」