第23章 応酬
驚くローとアルコを前に、マジェスティは続けた。
「5年ほど前…、おれ達の“祖国”グレート・鰤(ブリ)テン島に、海王類が大量にストランディングしたのを知っているか」
アルコは眉を寄せた。
覚えている。
新聞でみたその記事に添えられていた写真は、目を疑うものだった。
巨大な海王類が、何匹も浜に打ち上げられ、それを見ている人達はまるで小人のようで不思議な写真だった。
「大量死した海王類…。その海王類の処理に関わった人間まで死んだ。
その原因を解明し、本にして発行したのがコイツだ。原因は……この寄生虫だった」
そういうことか。
海王類のストランディング事件は、インパクトのある写真で報道されたが、その後の研究成果までは気に止めていなかった。
ローは、事件のその後を書き記したディンの本を読んだのだろう。アルコは そんな本があることすら知らず、自分の浅はかで移ろいやすい興味を恥じた。
「…なぜ、お前は海兵に」
ローがディンに静かに問いただす。
ローが他人に興味を持っていることに、アルコは少し驚いた。
“D”の名を持つものは、ルフィ同様 やはりローにとっても特別なのか。
「当時………ぼくは王国の研究者として海王類の調査していました。
海王類の処理に来ていたのが、海軍に入りたてだったマジェスティ大佐です。
…当時は中尉でしたが、大佐は祖国での経歴を捨てて、海軍に入った。
引退したとは言え、あのスタープレーヤーがなぜ海軍に…ぼくは調査の合間に質問したんです」
『こんな小さい島で一生を終えるつもりか。
お前は、世界を見たいとは思わないのか』