第23章 応酬
グロテスクな形状のソレが、次々にビタビタと甲板にへばりつく。
確かに“いやらしい”。
所々にカラフルな斑点がある肌色で棒状の“モノ”。
色や形は もう見るからに、男の象徴だ。
「今度はなんだっ?!」
「これは…マグロノハネボウシモドキですね」
ディンは淀みなく言うが、誰もついていけない。
「マグロ…の…? なに?? 魚じゃないでしょ」
「ナマコの一種だ」
ローが知っているらしい言い方をしたことにアルコは驚くが、その間にも“その生物”は、雨のようにビタビタと降り注ぐ。
「気持ち悪っ……」
アルコは一度だけ剣を振ったが、よりグロい光景になったのでそれ以上攻撃するのをやめた。
ただ、気持ち悪いだけだ。
ブニブニで、見た目が“アレ”なだけ。
精神的なダメージだけだ。
ナマコの雨がやむと、王妃は恐ろしいことを口にした。
「コレは……美味しいの?」
「これは、珍味だ。美味い」
「これは、不味いよ、メーガナィン」
また正反対のことを、今度はローと王子が言ったので、マジェスティはまたガックリとする。
王子のバカ舌が、“メシマズ”文化を牽引している。
祖国を出て、海兵として世界を見て・味わっているマジェスティにとっては複雑な心境なようだ。