第23章 応酬
「凶暴化…と言っても、ただ大群でぶつかってくるだけで、大したことはないですね」
「めんどくせェだけだな」
「なんか…慣れてきて、面白がってるし」
王妃を筆頭に、甲板に転がった珍しい生き物達を眺めたり突っついたりしている。
「ハァ~…何とかしろよ、“あの女”」
マジェスティは祖国の王妃が、どこまでも気に入らないらしい。
生き物達の襲撃が一時やんだ甲板で、アルコは、感じていた違和感を伝えた。
「そういえば…なんか『音』みたいの聞こえなかった? 『音』っていうか、いや『音』じゃないんだけど。耳がキーンていうか、ブーンって なるような…」
自分でも曖昧な言い方に、首をひねる。
「「?」」
ローとマジェスティも首をひねるが、ディンだけは賛同した。
「ああ、わかります! ぼくも眼鏡がブルブル……って。何か振動が起こっているのかもしれません」
「振動…? それが原因で、変なもんが次々飛んでくるのか」
「どうだろう…。関係あるのかな」
ローが刀をおさめながら、辺りを見渡す。
「この船を狙ってきているのは明らかだろ。それに……」
そこまで言って、マジェスティを見て言い淀んだ。
(…めんどくせェことに ならなきゃいいが)
愛国主義者に嫌われている、おてんばなで自由な王妃
立て続けに起こる不自然な“生物襲撃”は、原因を暴かないほうが、穏便に済むかもしれない
とにかく、アルコをあまりあの王妃と接触させるのは避けたほうがよさそうだな
そんなローの心配をよそに、王妃はアルコを呼びつける。
「ね~ぇ、かわいいお尻ちゃん。今度はスッゴく“いやらしい”ものが飛んでくるわよ」
「“いやらしい”って…なんですか…、それアナタでしょ」
すでに仲良さげな二人にローは頭を抱えるが、飛んでくるものをみて、思わず顔をしかめた。