第23章 応酬
「あなたは? お尻が好きじゃないなんて、じゃあどこが好きなの? あるでしょ? そういうの」
「そうだな、フェチなら………
筋肉か………あと、舌とか?」
「うわっ! あなた…、変態ねっ!!」
絞り出すように言ったアルコに、即座に否定的な罵声が飛ぶ。
いや、ヒドイ。
アナタが聞いたんでしょ。
しかも卑猥に尻を語ってたアナタに言われちゃ…。
「……そーですかね。
私は動物的な しなやかさに魅力を感じる…のかも。お尻は、逆に人間的過ぎてちょっと…」
「ふーん…、ま、言いたいことはわかるわ」
「──── ?!」
そこまで話したところで、突如アルコは耳に違和感を感じた。
あれ、なんだろ…?!
これって ────
「来るぞっ!! 構えろ」
マジェスティが大きな声で、全員に警戒を急き立てた。アルコも皆が向けている視線の先をたどる。
大海原がザワザワと細かく波立って近づいてくるのがみえた。
「ダーツダツの群れです!! 刺されないように…」
眼鏡を整えながら信じられないとばかりにディンが叫ぶ。その声を聞いて、アルコは後ろの王子達に伏せるよう促した。
ドヒュヒュヒュヒュッ・・・
数十匹の先の尖った細長い魚の群れが、刺さる気満々で甲板に飛んでくる。
「ヤバいな…」
「さがれ」
「さがって」
スパァン…と、船体中央からローが放った広い一撃目でほとんどはバラバラになりその場に落ちた。アルコは、残りのダツをとらえるような斬撃を放つ。
いくつかはドスッと甲板の床に刺さりビヨョーンとしているのを見て、王子達は怯えたが、ディンは図鑑を腋に深く挟み直して いそいそと その魚を嬉しそうに回収した。