第23章 応酬
「ルフィのおじいちゃんなんだってね」
さすが
器のでかさが、にじみ出ている
「そう言えば……アルコはどうして麦わら屋の船を降りたんだ」
ローは背中を柵に預けたまま、ちらりとガープの方を振り返る。その老兵の笑顔は、記憶の中の麦わら帽子の男のものと重なった。
ローは、ずっと聞きたかったことを思い出したように言った。
アルコは 一瞬ゾロとの出来事を思い出し、片袖の服に覆われた左腕を触った。
「…病気を隠すのが、限界だった」
「話そうとは思わなかったのか」
「無理だったね。とても、そんな風には思えなかった」
(………『心の呪縛』か)
ローは、アルコの珀鉛病を無理矢理 暴(あば)いた時のことを思い出した。
奴隷の首輪を無理矢理外そうとして、“暴かれるくらいなら、死ぬ”という行動をとった時のことを。
「でも…今となっては、あの時話してたらどうなってたのかなって思うよ。
ドレスショップの店長だって、身体を見せたけど 私が傷つくようなことは何も言わなかった」
ペローナだって。
だからゾロだって、
もちろん ルフィやナミだって、たぶん大丈夫なんじゃないか、って。
もし あの時、打ち明けていたら ────
いや、でもやっぱり、怖い。
深い関係の人ほど
親しくなるほど
自分が その人のことが好きなほど
打ち明けるのが怖い。
現に、けっこう仲良くなったハズのシャッキーには打ち明けられなかった。
拒絶されたらと思うと
ほんの一瞬でも
たとえば眉を寄せられたりしたら
それだけで傷ついてしまうような気がした。
これがローの言う“過剰な自己防衛反応”なんだろう。
頭ではわかってても、
やっぱり
まだ
無理だ。