第23章 応酬
大きな帆船はゆっくりと離岸する。
この船は海軍のものではなく、王国所有の船なので、忙しそうに出航作業をしている10名ほどは、王国の従事者だ。
見送りの海兵達がわーわーと声をあげ始めた。
その歓声は王族に対してではなく、帆船に向けられたものだろう。たたずまいだけでも美しいこの帆船は、動き出したことで一層その魅力を増した。
見送りの海兵の中に、アルコはガープの姿を見つけた。
ガープだけは王族や海軍ではなく、最後尾であるこちら側に目を向けていた。
爽やかな笑顔で、何かをもぐもぐと食べながら。
ガープと目があったアルコは笑顔で手をあげた。
それを見たガープは屈託のない笑顔で、大きくひとつ うなずいた。
ローはぷいっと背を向けて甲板の柵に背中を預け、その態度を咎(とが)めるようにアルコはローの腕をバシッと平手で打った。
「わっはっはっ! 生意気なルーキーじゃ」