第22章 Riot Grrrls
気さく…とも違うアルコの雰囲気に圧されて、たしぎは思い悩んでいた愚痴のようなことを切実な表情で吐露し出した。
「あなたは……
なんだか、女であることを楽しんでますね。
私は…、そうは思えない。
女は弱いし、いっそ男にって思うことが……」
「えー、もったいない。
知らないの? 女のほうが強いんだよ」
あっけらかんと言うアルコに、たしぎは反論する。
「でも! 現に世の中を支配してるのは男じゃないですかっ。さっきの男達だって……」
「あんな“小物”の話はどうでもいいじゃない。
……例えば、“ゴールド・ロジャー”が唯一尊敬し、頭があがらなかったのが、女だったとしたら?」
たしぎはズルリと傾いた肩とメガネを元に戻した。
「そ・・・そんな伝説みたいな話。私がしているのは、もう少し 身近な問題なんです。
それに、出どころもわからない噂みたいな話、とてもじゃないけど信じられな……」
「“鷹の目”」
突然口にされた その“通り名”に、たしぎは背筋に固く冷たい針金を通されたような感覚になった。腰に携えた刀が、急にずしりと重みと存在感を増す。
世界最強の剣豪
すでに伝説のような人物だが、実在する人物だ。剣士として刀を振るっている限りは、意識せざるを得ない 実在の人物。
この女(ひと)は、一体 ────?!
「伝説と呼ばれてる人達も、案外“ただの人間”で“ただの男”なのかもね」
アルコは「でしょ?」と同意を得るように片眉をあげてたしぎを見た。絶句しているたしぎに構わず、アルコは続ける。
「“鷹の目”は、『心をコントロールしろ』って言うんだよ。
でも、全っ然できない。“女”には難しいよね。
…でも最近ね、それが“おもしろい”って思えるようになってきた。
────“この人”のおかげかな」