第22章 Riot Grrrls
「海軍の人…、じゃないですよ、ね」
「違います、ね」
探り探りの言葉と言い方に釣られてアルコは返答した。
やっぱりこの娘は、あの時自分がゾロと一緒にいたことには気づいていないようだった。
以前会ったことがあることについては言及せず、アルコは会話を続けてみた。
「さっきの男達、知り合いだったの?」
「いえ、知り合いという訳では……。
ただ、ヒナさん ─── 先輩から話は聞いていて。嫌な上司だと」
「あらま、先輩の上司に…。あんな風に言えるなんて、スゴいね」
たしぎはカフェオレを握って小さく縮こまってしまった。
「すみません…。ついカッとなってしまって……。
でも、あなたがやっつけてくれて、ちょっと、スッとしちゃって! ありがとうございましたっ!
……それにしても、海軍にあんな人達がいるなんて。…本当に、すみません」
反省したり、お礼を言ったり、謝ったり。
(忙しい娘だな)
アルコはアイスコーヒーのストローを口から離しゴックンと飲み下してから、ふふ、と笑った。
「どうしてあなたが謝るの?」
「だって……、恥ずかしいですよね。同じ海軍の人間として」
「そうかな。
あなたの部下ならまだしも、先輩の上司なんでしょ? そこまで あなたが背負うことは ないんじゃない? 海軍だって海賊だって、色んなヤツがいて当然でしょ」
「そっか…。
海軍だって、“海賊”だって……」
アルコのその言葉を反復した たしぎは、誰かを思い出すように遠くを見つめた。
──── 『正義の海軍』と『悪の海賊』
そう信じて、入隊した
その信念のもと、刀を振るってきた
そのハズなのに