第22章 Riot Grrrls
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海軍本部 併設のコーヒーショップ
MARINE COFFEE
パンやおにぎり、サラダなどの軽食も販売しているコーヒーショップ。
レジの横にはイートインスペースもある。コーヒーを飲みながら座って話をしている海兵や作業員が多いが、半分くらいは座席が空いているので座れるだろう。
アルコは自分のお腹と相談した結果、食欲はあまり湧いてこないので、コーヒーだけ買おうと何も商品を選ばずに列に並んだ。海兵に紛れて並んだ列だったが、後ろにもすぐ何人か並ばれた。混雑する時間帯のようだ。
(けっこう種類あるんだなー……上手に注文できるだろうか)
店員の後ろに掲げられたメニューには、豆の種類やトッピング、複雑なサイズ分けが書かれている。
それを見上げるのにローの帽子が邪魔だったので、帽子を脱いで、背中に担いだ竪琴を引っかけている腰紐にぶら下げた。
再びメニューを見ながら 鼻でコーヒーのいい匂いを探っていると、前に並んでいた2人の男の会話が耳に入ってきた。
「ヒナのヤツ、帰ってきたらしいですね」
「“自爆”しなかったのか、あの女。七武海相手じゃ力不足のくせに、なぁ?」
「………………」
(なんか……ムカつくな、コイツら)
よくみると汚くて偉そうな顔をした男と、ソイツにゴマをするのは同じように汚くてずるそうな男だった。
「最近は、生意気な女が多くて困りますねぇ」
「女なんか、大人しく“コレ”ヤってりゃいいのになぁ」
“コレ”と言いながら、下品な仕草をした男に、アルコは殺意をむき出しにした。
(コイツらが“正義”の海軍か……)
背中の“正義”に向けられた殺気にビクリとした2人の男は、顔を見合せながらゆっくりと振り返る。
その時、アルコのすぐ後ろから大きな声があがり、アルコもビクリとして振り返った。
「あなた達! こんなところでっ……下品な物言いはやめてくださいっ!!」