第22章 Riot Grrrls
自虐のような自分自身への笑いを噛み殺していると、よく知った声がかかった。
「─── ヒナさんっ! おかえりなさいっ、待ってたよ! 今日も麗(うるわ)しいなぁ~…よかったら今夜一緒に……」
「いいわよ」
声の主は、ニューマリンフォードの立ち上げに、同時に同じ部署に配属された同僚。
階級は同じだが 年齢は少し下の同僚は、会うたびに飽きもせず誘いをかけてくる。
いつもはあしらっていたその誘いを、ヒナは二つ返事で了承した。
「……ですよね~。いつもつれない人だ、あなたは───って、え?!」
「いいわよ、行きましょう。二度は言わせないで。ヒナ躁急」
今夜は“女”として、男の誘いに乗ってみよう
それでも満たされなかったなら……
今度はスモーカー君でも誘って飲みに行くか
彼になら、このモヤモヤを晴らせるかもしれない
でも、彼に今さら“女”をみせたら
あきれられるかもしれない
失望されるかもしれない
─── でも、それもいいか
“酒”のせいだって、言い訳できる
私だって、“女”だもの
ヒナは同僚の男に饅頭をひとつ手渡した。
「さっさと今日の仕事を終わらそう」
そう言った男は、嬉しそうに饅頭を手ではじいた。
二人は跳ねるような早足で、海軍本部へと入っていった。