第22章 Riot Grrrls
ひとり残されたヒナは、饅頭を握ったまま その場にただ立っていた。
動けず立ちすくんでいた訳ではない。
自らの意思で、ただその場に立っていた。自分で、自分の気持ちを整理するために。
──── また あれだ
大事そうにしちゃって
ヒナ羨望 ──────
─────── 羨望?
そうか、羨望……?
私、うらやましいのか
『女が一緒だと聞いていなかった』ことに腹を立ててたんじゃないのか
トラファルガー・ローと女が顔を寄せあってアイス食べていた光景が、ヒナの脳内で再生された。
ボンドラでの何気無い会話では、探りあいつつも労りあっているようだった。
そして、馬車での移動中に深く眠った女を、まるでそうして当然のように外から守っていた。
馬車が到着すると、起こす様子もなく抱えあげて早々にボンドラに乗り込んだ。
ヒナは海軍に入隊してからの、自分の半生を思い出す。
がむしゃらにのしあがってきた。
時に“女”を捨てて
時に“女”を武器にして
走り疲れた身体と心が欲していたもの
ソレが目の前にあって
ヒナ動揺
ヒナ羨望
───── そういうことか
私、ちょっと 疲れてたのかも