第22章 Riot Grrrls
任務が突然なのは、いつものことだ。その事に文句はない。
ただ ────
“女と二人”だなんて、聞いてなかった
別に何かを期待してた訳じゃないけど
用意周到そうなこの男が、政府や海軍に同行者がいることを伝えない、とは考えられなかった。
男は海軍に伝えた。
海軍の上層部が自分に伝えなかった。
そう考えるのが自然だ。
『現場に行ったら、聞いていたことと違った』
『大事なことを聞かされてなかった』
そんなことは日常茶飯事じゃない
海軍は実力主義ではあるが、未だに根強い『男社会』
女にはチャンスは与えない。やむなく与える場合は、情報を与えない。
実力のある女をひがむ、実力のない男のやり方だ。
それにしても………
「…………」
ヒナは少しだけ振り返り、男の膝の上に頭を預けて眠るマントをかぶった女を見た。
トラファルガー・ローは無茶をする様子はなく、むしろ気が張った様子の女を落ち着かせるような態度をとった。
──── おかげで穏便にレッドラインを渡れそうね
ヒナは顔をしかめたまま、くわえていたタバコに火を点けた。