第22章 Riot Grrrls
ローがシャボンディ諸島に何ヵ月も滞在し、レッドラインを越える機会をうかがっていたのには、いくつか理由があった。
シャボンディ諸島では、アルコの珀鉛病の治療を連続して行った。熱も下がって安静期間が終わる頃には、実はすでに目標としていた額の金は、ほとんど貯まっていた。
それでもすぐにレッドラインを越えなかった。
その理由のひとつは、アルコが竪琴を弾いて働いて稼ぎたい、と言ったのを叶えるため。
義理堅く、情緒的なアルコのことだ。ただ治療を受けているだけでは、申し訳なく思っているのだろう。
案の定、アルコはすぐに仕事を得ることができて、大きな仕事も取れるようになっていった。
やりがいも感じていたようだし、予想以上の収入にもなった。旅の資金集めに貢献した、ということでアルコのストレスを少しでも減らそうとしたのだ。
ローはその間に、資金集めはそこそこに、政府の元科学者シーザー・クラウンと“SAD”の情報を集めるため、諸島内を隅々まで嗅ぎ回っていた。イベントを仕切っていたディスコを締め上げ、ペンギンが得た情報から、仲買人(ブローカー)を追跡し、しらみつぶしに あたった。アルコには告げずに旧マリンフォードへ出向いたこともあった。
結果は ────
『当たり』だ
パンクハザードという政府が閉鎖した島、そしてジョーカーとのつながり。
目的地は絞られた。
“SAD”が何を産み出すものなのかはまだわからないが、コレはきっと“鍵”となり得る。
“新世界”をかき回す“鍵”に ─────
あとは手段、駒、場合によっては戦力…
まだまだ、運まかせな部分も多い
出来るだけリスクは減らしたい
アルコと
アルコとの約束のためにも