第22章 Riot Grrrls
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「でかいな」
「ほんと」
アルコだけでなく、ローもワクワクしている目を向けている。
間近で見るボンドラは、シャボンディ諸島から乗ってきた帆船よりも大きそうだった。底面にある巨大なシャボン玉の上に、木の葉型の船のようなものが乗っていて、左右にはプロペラがついている。
2つあるボンドラのうち、“1”の番号と“世界政府”のマークが刻まれたボンドラに、一般人の列に並んで乗り込んだ。
船内には食事や酒が飲めるラウンジや横になれる休憩スペース、小さなカジノのような遊興施設があるらしいが、アルコとローは船をぐるりと取り囲む甲板にたたずんだまま、ソコを動かなかった。
「1番ボンドラ フライトの時間です」
ゴウン、ゴウン・・・
ボンドラがゆっくりと上昇を始めると、アルコの顔が緩んだ。
スゥ ────っと持ち上がり、徐々にスピードがあがる。
先ほどまでいた地面がズームアウトするように遠ざかっていった。
地上の人達が、上昇していくボンドラに手を振っている。誰に、ということもなく行き交う人達 皆が振っていた。ローの隣にいたヒナまでもが手を振っているのを見て、アルコはソレがここの流儀なのかと気づく。地上で母親に手を引かれて反対の手を一生懸命振っている女の子を見つけたので、その子に向かって笑顔で手を振り返した。
一瞬で小さくなっていく地面に、思わず足がすくむ。
「スゴ………」
「ああ」
ローは腕を組んだまま上を見上げ、そのまま のけ反るようにレッドラインの壁まで視界に入れた。
アルコもつられて上を見上げる。
ボンドラのロープをレールのようにして、空に向かってぐんぐん昇っていく。
あの雲を突き抜けたら、どんな景色が広がっているんだろう。