第4章 乗船【シャボンディ諸島】
はためきだす黒いドレスの裾
(あと10m…)
集中
(柔なき剣に強さなし、か)
ズバァン!!!
帆船風の海軍の船のトップゲルンから船体にかけての斬撃。
水面までは達しなかったが、大きく斜めに斬られた海軍の船の船上は、わーわーと いっそう騒がしくなっている。背中には、潜水艦の上の男達から歓声やどよめきが聞こえる。
「いい買い物をしたな」
帽子の男が、これでもかというほど片頬を上げてアルコの隣に立っていた。
「潜航するよ! 中に入って」
クマの掛け声で、全員が艦内へと降りていく。
一番最後に艦内への小さなドアをくぐろうとした時、先ほど共闘した大男が手を差し伸べて、エスコートしてくれた。
アルコは大男の大きな手に軽く手を添え、肩をすくめながらドレスの裾をつまむ。
「ジャンバールだ」
「 アルコよ」
“奴隷コンビ”は、社交界のような場違いな挨拶に、声を出さずに笑いあった。