第22章 Riot Grrrls
「昔…“二人旅”してた時は、よく作ってた」
「……そう、なんだ」
アルコは安心したように笑顔をみせた。
へぇ~、よかった。そうなんだ。
『恩人』は、料理が苦手だったのかな。
そう言えば、ローは自分でコーヒーも淹れる。
淹れてあげたこともあるが、『淹れてくれ』と言われたことはない。
『女だから、作れ』というタイプではなさそうだし、そんなところが好きだし、自分には合ってるな、と思った。
「作ってやんなよ、料理くらい」
シャッキーは、タバコをふかしながらあきれるように笑った。
「ハイ………………がんばります」
シャッキーに言われたら
ローのためなら
がんばりますよ、“出来るだけ”ね。
「まぁ、期待してねェから、テキトーにな」
ハイ、と自信なさげに小さく言って、シャッキーのお弁当を大事に手元に引き寄せ、なでなでした。
「“二人旅”の時の………恩人の『彼』は、どんな人だったの?」
「どんなって………………
まあ、一言で言やァ……『壊滅的』だな」
「「壊滅的っ?!!」」
人を形容するには、なかなか使用しない言葉に、アルコとシャッキーの驚きが店内に響く。
出航ギリギリの時間まで、3人は他愛のない話を続けていた。