第22章 Riot Grrrls
その足で二人でシャッキーの店に行った。
シャッキーは普段と変わらない食事と酒を出してくれて、普段と変わらない話題で過ごさせてくれた。
「あんまり飲み過ぎるなよ」
「だね。もうやめとく」
これでおしまい、と言いながら、ウィスキーを自分とローのグラスに半分だけ注いだ。
カウンターからテーブル席を振り返る。今日は珍しくテーブルに客がいて、シャッキーも忙しそうだ。
突如、カウンターにドンッと四角くて重そうなものが置かれた。
「持っていきな。保存が効きそうなもの、詰めといたから」
えんじ色の風呂敷に包まれたそれは、お弁当のようだった。
アルコは目を輝かせ、手を合わせて大げさに感謝した。
「あんた達、ほっといたら何も食べなそうだからね」
確かに。
とくに治療期間で運動量が減ってから、食事の量も減らしていて、あまり食べられなくなった。
最近なんかは、ローとの朝食だけの1日1回の時も多い。
ローも似たようなもんだろう。
二人とも『食欲』はコントロールできる方だ。
しかし、アルコの場合は『睡眠欲』を、ローに至っては『性欲』を、コントロールするのが苦手でつい貪ってしまう傾向がある。
ローほど、一旦ヤりだしたら止まらない男は初めてだった。
………いや、こないだだって、結局朝まで3回も。いや、4…5回くらい? もう、わかんない。だってそれは向こうがイった回数だから、自分がイかされた回数に至っては いちいち覚えてもいない。
こっちは大きなライブの後で、ただでさえヘトヘトだったのに………勘弁してほしい。
しかも、久しぶりなのに。いや、久しぶりだからか。
最初こそ、何かの病気なのかとも疑ったが、それが彼の通常運転なようだ。
しかし最近は、何か不安なことの表れなのではないかと感じるようになってきた。
自分が、心を保つために、睡眠を貪ってしまうように。
そうだとしたら、出来るだけ応じてあげたいとは思う。だって、彼は自分の『治療』に一生懸命になってくれている。自分の“心”と“身体”の『治療』に。
自分とのセックスが、彼にとっては何かしら『治療』のような意味があるのならば。出来るだけ応じてあげよう。
“出来るだけ”──── ね