第21章 in the silence
シャボン玉のゴンドラをくぐり降りる時に、アルコは差しのべられた手を取った。
口一は反対の手で、預けていた刀と竪琴をひとりで受け取り、担いだ。
手を繋いだまま、ホテルに帰った。
頭の中は静寂のまま、一言も話さずに。
想いが、はじけそう
割れる寸前の 色のない シャボン玉みたいに
薄くて ギリギリ
ホテルの部屋の扉を閉めた音で、そのシャボン玉はいとも簡単に割れた。
口一は その場に落とすように刀と竪琴を置き捨て、静寂のままアルコをきつく抱き締めた。
お互いの内側で鼓動はうるさく、外側には息苦しいような呼吸音だけが溢れ出る。
アルコが口一の身体を押したので、それを拒絶と思った口一は、すぐに身体を離し距離をとった。
「悪ィ」
「……悪くない」
アルコは 口一の帽子を脱がせてその辺に投げ捨て、唇を寄せた。ついばむようなキスをしながら、ひじをあげて口一の頭を抱える。
アルコの濡れた舌が口一の唇の上で優しくうごめく。口一は応じるが控えめに、口内の浅いところに舌を差し出した。それをアルコは、舌先でチロチロと横にくすぐるようにねぶった。
今度は口一がアルコの肩を押さえ、一旦唇を離させた。
「止まらねェぞ」
「………止めないで」