第21章 in the silence
「行く」
静寂を切り裂くような、大きな、ハッキリした声でアルコは返事をした。
シャボン玉のゴンドラはついに頂上まで登った。眼下には虹色のイルミネーションがにじむ。
七色
いや、それ以上
見つけられない色はないほどに、カラフル
涙でにじんで、ひとつに溶ける
「キレイだね」
アルコはそれ以上の言葉を持ちあわせていなかった。
だって 本当に、キレイなんだから
それを聞いたローは、アルコの耳もとで“ある言葉”をささやいた。
「──────」
それは、あの時 言えなかった言葉。
初めてこのドレスに身を包んだアルコに、あの日 言えなかった言葉を。
アルコは驚いてローの腕の中で振り返る。
「ありがとう。嬉しいよ」
照れたような笑顔で素直に気持ちを表現してから、ローの帽子を軽く上げて、唇に触れるだけのキスをした。