第21章 in the silence
肩を抱かれた
ワンショルダーのドレスの、素肌の方の肩を
ローと触れあうのは、久しぶりだった
治療の後のキス以来
毎日同じベッドで寝ていても、触れあいは一切なかった。
それでもお互いの息づかいは感じられる距離。
朝 起きて、一緒に朝食を食べる。
話をして、コーヒーを飲む。
日中はそれぞれの活動。
情報と資金を集めて、それぞれのタイミングでホテルに帰って、休む。
翌朝の朝食を楽しみに、眠りにつく。
そして
一緒に起きて、朝食を食べる。
それが、心地よかった。
この自然な距離感が、ちょうどよかった。
『もしかして
大切にされている ────』
この3ヵ月で、そう思えた。
3ヶ月という期間は
“もしかして”が、外れるのに 十分な時間だった。
『ありがとう』
肩を抱かれたままの近い距離で ローを見上げ、心の中でそうつぶやく。
見上げたその顔は、いつもよりちょっとだけ、優しくて、嬉しそうで、思わずこっちが ほころんだ。
「乗りてェんだろ」
何に、だよ
なんにも、言ってないよ
何も、望んでないよ
これ以上、何を望むっていうの ───