第21章 in the silence
「先生が、こんなステキな人と一緒にいるなんて。やっぱり、先生はステキ。
これじゃあ“あの人”も、かなわないね。ちょっと、ざまーみろって感じ」
「へぇ~、“あの人”………………
………って、誰よ?」
前半は女の子に向かって にこやかに、
後半はローに向かってキレ気味に、
アルコは言った。
しかし、ローの顔の横には「?」が浮かんでいる。
「ほら、こないだ通りで先生と一緒にいた。
先生には荷物いっぱい持たせて
自分は果物 食べてた
スカした感じの女の人」
「………………………………」
「………………」
それ
私じゃないの
ローは口に拳をあてて、破裂音のような息を吐き出した後、下を向いて「くっくっくっ」と笑い出した。
(……そんなに笑うなよ)
アルコは笑顔を張りつけたままで女の子達に気づかれないように、ドレスの中の膝から下だけ動かしてローにヒールをぶつけた。
うっ、と小さくうめいた後は声をあげて笑うことはやめたが、今度はふんぞり返ってニヤニヤしている。
しかし
しっかり化粧もしてるし
髪もまとめてて
ドレスも着てるからって
そんなに違いますか
「…そうだな。コイツにはかなわねェよ」
そう言ってローはアルコの肩を抱いて立ち去った。
残された女の子達は、4人とも ぽ~っとした顔で二人の背中を見つめていた。