第21章 in the silence
「この調子でグランドラインを行脚(あんぎゃ)しましょう!!」
目張りの布をつけたステージ裏のテントで、マネージャーらしき人物が息巻いているが、アルコは“ソウルキング”にそろそろこの島を発つことを告げ、丁寧に別れとお礼を言った。
“ソウルキング”は、ステージ上での口調を一変させ、周囲には聞こえないような小さな声でアルコに語りかけた。
「ヨホホホホ………………
お嬢さんの琴は、とてもいい音でした。
あなたとは、また会えそうな気がしますね」
「ええ、そうね。
また会えたら、ぜひ セッションしましょう」
「ぜひ! その時こそは、ぜひとも パンツのほうも…」
殺気を感じた二人が振り向くと、ローが背後からにらみ殺すほどの視線を向けている。アルコは苦笑いを返し、“ソウルキング”はヨホホと口から魂のようなものを出しながら、他のメンバーやスタッフの方へと離れていった。
「ワールドツアーを組むんだ! 今度シャボンディ諸島に来る時は千人………いや、一万人動員するぞ!!」
「一万人でいいんですか?」
今後の活躍を展望している会話を背に、ローに「行こう」と言ってステージ裏を離れた。