第21章 in the silence
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翌朝
「ねぇ、 朝食頼めるよ。頼んでいい? 一緒に食べようよ」
今日からまたローは資金集めのための『回診』に出るのだろう。
アルコは、また一週間近く安静期間が続くのだろう。
朝は、ローと一緒にいられる大切な時間だ。
少しはしゃぎ気味に言うアルコに、寝起きのローはぼんやりと了解した。
しかし いざ朝食を前にしても、ローはアルコのテンションには ついてこなかった。
(朝だけでも、話をしたり、ゆっくり一緒に過ごしたりできたらなぁ……って思ったんだけど)
ルームサービスによるホテルの部屋での朝食。
大きく開けたカーテンの外には、朝日に揺らめいて昇っていくシャボン玉達と、止まった観覧車がみえる。
サーバーに入って届けられたコーヒーを2杯分に分けて注いだ。ローにソファを譲り、彼の左隣のスツールに座ったが
(あれ、なんか機嫌 悪い………?)
今日からまた資金集めに行くのか、などの質問にぽつりぽつりと返事をされる。
食事を終えると、昨日処置した患部を確認してから「安静にな」と言って出ていった。
さらに静かになった部屋で、硬直気味の身体のまま、ベッドに勢いよく倒れ込んだ。
ひとりでは広すぎるベッドが、ムカつくほどに元気よく その勢いを跳ね返してくる。
まだ眠かったのかな
疲れてたのかな
本当は嫌だったのかな
──────── ヤバい
起きたばっかりなのに、眠い
コレ、殻に閉じこもって寝ちゃうタイプのヤツじゃない
ああ
どうしよう
どうすれば、眠らないですむの
どうすれば、傷つかないで すむの