第21章 in the silence
「そう言えば………私の“アレ”も珀鉛製なんだった」
アルコは竪琴に目をやった。
「知ってる」
竪琴の上部、剣の柄になっている部分の細かい装飾や大剣の刀身は『珀鉛』で作られたものだ。
楽器でもあり武器でもあるコレとは、産まれた時からの付き合いだ。アルコ達 楽師の一族は、産まれた子供に呪い(まじない)によって楽器を定められる。それはひとりひとりに特注で作られて、生涯のパートナーとなる。
アルコの母は、リラというU字型の竪琴を携えていた。脇に抱えられるほど小型のそれは 弓のような武器にもなり、非力な母が幼い娘を抱えてフレバンスから逃げ出す時に大いに役立った。
アルコが産まれた時には、この大剣を中に納めたJ字型の巨大な竪琴が作られ、与えられた。
幼い頃は、ひとりでは抜刀することもできないようなバカでかい剣を、なぜ自分には与えられたんだろうと疑問しか持たなかった。しかし、フレバンスを出て、ミホークの元で暮らし始めた時から、この大剣が意味を持つようになっていった。
白銀色の珀鉛の加工は、時が経っても色あせることなくきらめいている。
「これは、使ってても大丈夫なの?」
「大丈夫だ。
一番最初に………お前の武器を取り上げた時に調べたが、よく加工してある」
そうか
ローはあの時から気づいていたんだ
『そう言えば、
キャプテンとは“ドーキョー”なんだよね』
“ドーキョー”
“同郷”
ローが珀鉛病だったことを知っていたベポは、私達が同じフレバンス出身だっていうことを知っていて言ったんだ。
私達は ────────
おれ達は ────────
幼い頃
どこかで出会っていたのかな