第21章 in the silence
「ねぇ、取り除いた『珀鉛』ってどこにいくの?」
ローは寝ているアルコの顔の前に、小さなビンを差し出した。
金属のフタがついた ガラス製のスクリュー管。
「そこら辺にバラまく訳にはいかねェだろ」
中には ほんの少量、耳かき2杯分くらいの粉状のものが入っていた。
開けるなよ、開けないよ、というやり取りの後、アルコはソレを目の前で振った。
白くて、キラキラで、サラサラ。
時を止めて、雪の結晶を固めて閉じ込めることができれば、こんな風になるのかな。
「キレイだね」
“白い町”と呼ばれたフレバンス王国
目に入るものすべてが『珀鉛』で加工された故郷の街並みは、思い出の中でも白く美しく輝いている。
見た目に美しいだけでなく、希少価値もある加工品は産業として富を産み出し、フレバンスに住む人々の生活を支えていた。
『珀鉛』が人体には有害な物質とは知らされずに、人々はそれを利用し続けた。
“死”を代々 引きずり
身体だけでなく 心をも蝕むようになるなんて
こんなに少量なのに
こんなにキレイなのに