第21章 in the silence
右腕の珀鉛を取り除く処置をされた。
(しなくて、いいの?)
治療をしたら、またしばらくセックスはできなくなるハズだ。
その言葉が喉まで出かかったが、結局言わなかった。
言い出せなかった。
二人きりになったからか、なんだか ぎこちない雰囲気を感じて、言い出せなかった。
それに、断られたら耐えられそうにない。
ローはどう思ってるんだろう
遠慮してるのか
そういうのは、もう、やめたのか
まさか、自分のことを大事に思ってくれてるのか
──── いや
いくらなんでも、それはないか
「そんなに 不安そうな顔をするな」
処置の後、痛み止めを打ちながらローはそう言った。
「不安なんて、ないよ」
そうか、と言って少し迷ったような間があってから、ローは患部の横の二の腕に優しくキスをした。
唇の感覚にゾクリとして、それを噛みしめるように目を閉じる。
「動かさなければ、アザは残らないだろう。このサイズだと1日か2日………一応、3日な」
日中、ローは出かけるようになった。
資金集めとして、適当なケガ人や病人を治療して金を取っているらしい。
この島には幸いにも、海賊や金持ちがたくさんいるし、ホテルに帰ってくるローからは戦闘の後ような血の匂いはしなかったので本当なんだと思った。
安静期間中。
動けないんだから食事を減らして欲しい、とローに申し出た。
「身体が重くなると動きのスピードが落ちるから嫌だ」という理由はウソではないが、それよりも律儀に昼なるとホテルに戻ってくるローに、もっと自由に行動して欲しかったからだ。
昼を抜いて、夜も減らした。
そうすると、ローはあまり昼は帰って来なくなり、夜も自分が眠ってから帰ってくることもあった。
──── どうか 自由に
それが、あなたのために何もできない私の、唯一の願い。