第20章 宝物
「解きてェんだろ、『心の呪縛』を」
「……!!」
「お前は……
自己防衛反応が強すぎる。
外から傷つけられないようにしようとし過ぎて、過剰な防御反応が体内で暴走してる。
結果的に、自分で自分を傷つけている。
それは……心だけじゃなく、身体にも表れている。
自己免疫系の異常として。
過度なアレルギー反応も、殻に閉じこもるように長い時間眠るのもそうだ。
…珀鉛を取り除いた後も、身体が色素を作る機能ごと自分の細胞を攻撃し続けるのも」
『心の呪縛』
身体まで蝕(むしば)み始めているのか
でも
じゃあ どうすれば ──────
「預けろよ。
もっとおれに、手放しで」
海を見ていると思っていたローは、いつの間にかアルコのことをまっすぐに見ていた。
「おれは預けたぞ。
……その時はまだ子供で
まぁ…、状況が状況だったけどな」
────── そうか
珀鉛病だったローと『恩人』
二人で旅をしたって
きっとローの病気を治すために『その人』は、一生懸命になったんだ
今、ローがしてくれているみたいに
でも
それじゃあ
私の都合ばっかり
私の 病気
私の 心の呪縛
そのために ローは 船を降りたっていうの
自分の 船を ──────
アルコの その思考を先読みしたように、ローは続けた。
「おれにも解かなきゃならねェ呪縛がある」
「!」
「他にも理由は、色々と……
まァ、タイミングの問題だ。お前のためだけじゃねェから、心配するな」
ローは帽子を脱いで、何か迷っているように少し頭をかいてから、アルコにかぶせた。アルコの頭には少し大きいそれは、アルコの視界をあたたかく遮った。まるで、優しく抱きしめられているように。
「つきあえよ。
お前は強いから、大丈夫だろ」
心はともかく腕はな、と言ってニヤリと笑う。
────── 心も、強くなるよ
ローのために
あなたが 好きだから
それが言えるようになるくらい
強くなる