第20章 宝物
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アルコは、マングローブの海岸に座っていた。
この場所は、つい数日前にペンギンと手合わせをした海岸。地形が少し奥まっているため、潜水艦が停泊している場所からはココは見つかることは ない。
強めの海風が吹いた。
風と一緒にマングローブの根から生まれたシャボン玉が群れをなして押し寄せた。
アルコは少し目を細める。
シャボン玉が はじけた感覚をほほで感じる。
誰かに呼ばれたような気がした。
背負っていた竪琴が風を受けて、少し身体が煽られる。
強い風を受けた耳が ごうごうと鳴る。竪琴の弦が風をきって、ふゅー、という音をたてた。
(風の音か)
アルコは、振り返らずに海の遠くの一点を見つめたまま、竪琴を肩から降ろし、かたわらに置いた。