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RUMBLE 【OP 原作沿い長編】

第20章 宝物






潜水艦
処置室


アルコが普段使っている部屋の2つのベッドは、ペンギンとシャチに明け渡した。

二人とも火傷(やけど)と軽いケガを負っている。


アルコはタオルを替え、部屋を整頓し終わって、二人の間にあるベッドサイドの椅子に座った。


「二人とも、大丈夫?  無理しちゃって。心配したよ」

「おっ。ついに、おれに惚れたか」


シャチは見た目に反した元気そうな声で言った。


「ははっ。大丈夫。惚れは、してない。

でも、シャチのそういうとこ 好きだよ」


「素直なヤツめ」



アルコは複雑な顔をした。


──── 全然だよ
全然、素直じゃないよ

こんな風な『好き』なら
シャチになら
言えるのに

なんて
自分のリハビリに利用してる
ゴメンよ、シャチ




ペンギンはアルコのその難しい横顔を見ながら、軽くあきれたようなため息をついて言う。


「あーぁ…なんか、おれも彼女欲しいなー」


「『も』?  誰か彼女できたの?」


「……お前、それ本気で言ってんの」



「え。………私と、ローのこと?」



(なんか最近、ペンギン えぐるなー)

シャチはヒヤヒヤしながらも興味深く聞いていた。


「『彼女』とか…
そんな清い関係じゃないでしょ。

『おれの船』だし? 

手近なとこで……、とりあえずヤれるからヤってるだけでしょ」


「…そーなんかなァ」


「だって『男』は、別に好きじゃなくてもできるんでしょ」


「そーなんかなァ…。

じゃあ『女』は…、お前もそうなんか」


3人はお互いに視線を合わせず、それぞれの正面をぼんやりと見ながら言葉を交わしている。

まるで、独り言のように。
自分自身へ問いかけるように。



「私もそうかって…? そんなの………」


アルコは椅子の上に膝を抱えて丸くなる。


「……………無理だよ」



椅子の上に小さくうずくまり、ついに顔を伏せてしまったアルコに、ペンギンとシャチはようやく目を向けた。



「まぁ…、そうだよなァ」


泣いてるかもしれないアルコに、どう声をかけたらいいのかわからないシャチは、精一杯の優しい声で相づちを打った。



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