第20章 宝物
「疑わねェよ…、美人だからな」
シャチはナイフを納め、ペンギンに駆け寄ると、何のためらいもなく悶えるペンギンを背負うように抱えた。
「!!
…触ると伝染るのよ。見ていなかったの?」
「別に……、関係ねェよ」
振り返ったシャチのサングラスに映った自分の姿と目があったモネ。
なんなの
この男 ────
サングラスに映った 二人の自分に見つめられ、モネは立ちすくむ。
ああ そうだ
私の本当の支配者(マスター)は………
モネはシャチを押し退けて、VIPルームから出ていく。その際に、担がれていたペンギンの喉に手を触れた。
「?!!!」
触れられた喉は一瞬で霜がおり、氷のように冷たくなった。
モネは振り返ることなく、吹雪を降らせながらガス爆発の火の手が上がる会場内を去っていく ──────
ペンギンを抱えたシャチは、その不思議な雪道を歩いて会場から脱出した。