第20章 宝物
海軍は間合いを取ったまま、いっこうにかかってこない。ローの強さをわかっていて、すでにひるんでいるようだ。
アルコは数歩下がって、ローから距離をとった。
ネクタイとおそろいの十字模様が刻まれた刀の鞘がぽいっと打ち捨てられる。
「かかって こないのか」
ローは不敵に笑いながら、円形の隊列すべてを包みこむ“ROOM”を、ゆっくりと発動した。
ブゥ………ン…
ズパパァン……………!!
大太刀を一度振っただけで、海軍は混乱に陥った。左手も上向きに構える。
「“シャンブルズ”」
解体(バラ)された上にテキトーに入れ換えられた海軍の連中の身体のパーツ達が、洗濯機に放り込まれたようにぐるぐると周囲を巻き込み、その場は錯乱状態となった。
「うわぁぁぁっ! どうなってんだ?!!」
「構わねェ! 打て!!」
ドドン!! ドドドン!
「打つなよ。遊んでるだけだろ」
ローが クイッ と指を動かして、弾丸とシャボン玉を入れ換えた。
アルコも銃声に思わず竪琴から大剣を抜いて構えたが、その必要はなかったようだ。