第20章 宝物
会場の外は、すでに海軍が取り囲んでいた。ローは、わざと注目を集めるように、堂々と海軍の包囲網の中心に歩み出る。
アルコもローの隣でざっと全体に目を向けた。
(100人………は、いないか。70くらいか)
四角い顔の男が兵を率いていた。その服装から、男は中佐くらいのクラスの人物のようだ。
距離を取って円形に布陣された空間には、いくつものシャボン玉がふわふわと舞い上がっている。
「お前は………!!
トラファルガー・ロー!!
七武海の海賊が………
ココで一体、何を企んでいる?!」
「『おれは』何も企んじゃいねェよ。
今、ココを詮索するな」
ローはネクタイのノットに指を引っかけて緩めてから、ゆっくりと抜刀した。
「貴様………海軍にたてつくつもりかっ?! 協定違反だぞっ?!」
「うるせェな………。
海賊が自分の女に宝石買いに来て、何が悪ィんだ」
『自・分・の・女』!!
その言葉に、アルコは場違いにもほほに手をあててうっとりと微笑むが、いかんいかん、とすぐに気を引き閉める。
そのための「宝石つけとけ」ね。
用意周到に、言うつもりだったセリフなのね。
本っ当に、いつでも色々先のこと考えてるんだから。
ローの言葉に一喜一憂してしまった自分に小さなため息をついてから、小首をかしげてローを諌める。
「ダメだよ、殺しちゃ」
「わかってる、遊んでやるだけだ。下がってろ」