第20章 宝物
「おい、どうした」
ローが振り返り、おびえながらも何かを考えている様子のアルコに近寄った。
「ロー。さっきあそこにあった………」
「きゃー?! あなたっ。どうしたのっ!!」
再び近くで悲鳴があがる。
「行こう。おそらくコレが原因」
テーブルの上に残っているピンク色のキャンディのような宝石のようなものに目配せをする。
ローはテーブルの上と足元のグラス、グラスに残ったマグマのように泡立つピンク色の粒を見て理解したようだ。
「チッ。…趣味の悪ィ……」
ローは転がったグラスとキャンディを踏みつけて、悲鳴のした方向に足を向けた。シャンパングラスの細いステムがパキリと音をたてて折れた。
行こう、と促したのはアルコだったが、はたと思い直してピンク色のキャンディのテーブルに戻る。
「………………」
ピンク色のマーブル模様が、煙の揺らめきのように妖しく光る。白いテーブルクロスを勢いよくバッと引き抜き、キャンディを覆うようにかぶせてから、ローを追いかけた。