第20章 宝物
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会場内でシャチとペンギンと合流した。
「2階の手すりの下に、電伝虫が仕掛けられている。会場内に死角がない程かなりの数」
「どれも“CC”ってマークが入ってるな」
「“CC”………………」
男達3人は周囲から怪しまれることもいとわず、作戦会議を始めてしまった。アルコはスパークリングワインの注がれたグラスを4つ持ってきてひとりずつに配った。
先ほど防護服のヤツらには、残り2人のクルーにマークさせているらしい。深追いしない程度に。
「何か………ヤバいよ。無差別っぽいし、主催者もグルだよ」
「無差別………………なのか?」
「きっかけがあったハズだ。それを見張れ」
ローの無茶な要求に、シャチは声をあげる。
「何か起こる『前に』、何が起こったか見張れって?!」
声がでかい、とばかりにペンギンがシャチをどつく。
「ちょっと接触してみようか。他の客とか、アテンダントとかに」
「お前はダメだ。危険すぎる」
アルコの提案を、ローはピシャリと却下した。
なんでよ。
自分だって、どの口でナンパなんかすんのよ。
できる訳ないでしょ。
いつもむっつり黙ってんのに。
アルコは下唇を いっ、とむいて反抗心を表した。
無言でにらみあってる二人を、やれやれといった様子のペンギンが制した。
「ハイハイ、おれ達が行くよ」
「腹減ったしな」
先ほどの立食コーナーは、会場のこちらの端まで続いていた。
シャチとペンギンは帽子をかぶり直したり、えりを整えたりしながら立食コーナーに歩いていった。