第20章 宝物
「帽子も新しく作ったんだね。
スーツも完璧。すごい、似合ってる」
黒のダブルのスーツ。ジャストサイズで、身体に沿ってフィットしている。
白いシャツに細い黒のネクタイ。ネクタイは黄色の斜めストライプで仕切られた間に、織り模様でうっすらと黒の十字架模様がたくさん並んで刻まれていた。
お馴染みの帽子も、ハット型からキャップ型に新しくなった。
(帽子も作れるのか、あのムキムキ店長。やるなー。おっしゃれー)
会場に入ったローとアルコ。
金持ちそうな太った男や不自然に広がった流行りのスカートをはいた女の姿が多い中、タイトな服に身を包んだスタイリッシュな二人は、人々の目を惹いた。
そうでなくてもローは今や有名な海賊。王下 七武海に加入したことで“最悪の世代”と呼ばれる他のルーキー達から頭ひとつ抜け出た存在だ。
アルコのドレスも多くの人の目を奪った。あらわになった背中には、竪琴が背負われているのでいくらか刺激性は弱まった。
「あの人…海賊じゃない? トラ……なんとかって」
「なんか………………ステキ」
「さすがに いい女連れてんな」
周囲からひそひそと羨望や賞賛が聞こえてくる。
「なんか………溶け込めてるのかな………? 目立ってる??」
「だな」
ローはどこか嬉しそうだ。
海賊の気持ちは未だによくわからないが、名をあげて周囲に認知されることは嬉しいものなのかな。
アルコもローの隣にいる女としてふさわしくみられるように、背筋を伸ばして胸を張った。