第3章 金のために【シャボンディ諸島】
まっすぐ前を見据えて、背筋を伸ばし、長椅子に浅く腰掛けたアルコ。
左腕は右肩のドレスを押さえるため、身体の前にクロスさせている。
隣の男が体勢を変え、前のめりに座りなおしたので 視線だけを、男の方に落とす。
視界に入った男の手には、ごちゃごちゃとした刺青。
─── 世代的にシャッキーの言っていた『ルーキー達』のひとりだろう。
『情報は 武器よ』
シャッキーの言葉を思い出す。
これだけ特徴的な男、手配書で調べれば一発で素性がわかりそうだ。残念ながらアルコの頭には、手配書はインプットされていない。この男の懸賞額、過去の事件などを知っていれば、戦いに有利になるかもだったな。
アルコは、自分自身の危機感や自覚のなさに自嘲のため息をついた。