第3章 金のために【シャボンディ諸島】
1人と1匹が離れていったことで、自分に言われたのだとアルコは気づく。
この男が、自分を買った海賊の船長…?
『女を買う海賊』
デカくて、剛毛で、がははと汚く笑う、デリカシーのなさそうな男をイメージしていたアルコは、男の姿に戸惑った。
印象的な素材と柄の帽子。
細くて、若い、隈の深い、ニヤけた男。
男は、長椅子の座席に浅く座り、両肘を背もたれに預けている。
「座れ」
もう一度言われたその一言で、空気がピリっとするのを感じる。
彼の仲間と思われるヤツらが、緊張感のある顔を向けてくる。
これ以上周りから注目されるのも嫌だった。
アルコは竪琴を通路に置き、船長らしき男の隣に無表情で座った。