第20章 宝物
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同日
40番GR(グローブ)
衣装屋 レインボーシャボン
目的のイベント当日、ロー達一行は昼頃に衣装屋を訪れた。
「ねぇ、ロー。そう言えば私のドレスどうすんの?
ハッ! まさか……私、留守番かっ」
「…………今さらかよ」
店内に入ると「コイツ頼む」と、ムキムキ店長に引き渡され2階に連れて行かれた。
膨大な量と種類の布が壁面にびっしりと詰め込まれた部屋。縫製作業のためのミシンや使い方のよくわからない糸が巻かれた機械などを通り抜けた奥にある、ドレッサーに座らされた。
たくさんのある布に音が吸収され、頭の中が急に静かになる。
目を奪われたのは、鏡に写ったきらびやかな黒いドレス。布張りのトルソーが着ているそれは、ワンショルダーで片側にマントのような布がついていた。その布の縁には小さな揺れる装飾がついていて、アルコが以前ベータ島という夏島のバーで演奏していた時に着ていたものを思わせた。
「ローちゃん、一生懸命でかわいかったわよ~」
(………………なんですと)
アルコは目を丸くした。その後、幸せ過ぎてニヤけ始め、最後に嬉し過ぎて泣きそうになった。
「ヘンな顔しないの! キリッとしなさい。綺麗にしてあげるから」
ムキムキ店長に肩をバシィッと叩かれる。大げさに痛がるなと言われたが、そこ治ったばっかの傷ですから。
店長に手ぎわよく化粧を追加された後、髪も触られる。伸びてきた前髪に少しハサミを入れられ サイドに流し、後ろ髪は勝手にアップにまとめられた。