第20章 宝物
「そろそろ、昼めしにしようぜ」
アルコが振り返ると、近くのマングローブの高いところから生えた根の上に、ペンギンが寝転んでいた。
「いつからいたの?」
「最初から」
ペンギンはマングローブの根から身軽なジャンプで降りてきた。
「止めないのね」
「別に、無理してねェんだろ」
ペンギンの言う通りだった。アルコは自分の身体を気遣いながら、剣を振っていた。ちょうどそろそろ止めようかと思ったところだった。
ペンギンは………優しいな
ローとはまた違う、アルコを尊重し、敬意を払ってくれているような優しさを感じた。
「ありがとう。
ねぇ、お昼食べたら手合わせしない?
………ローには内緒で」
汗をぬぐいながら、ペンギンに悪どい笑顔を向けた。ペンギンは一瞬固まったが、切り替えるように明るく答えた。
「だな。黙っときゃ………いいよな」
ペンギンは、にかっと笑ってアルコの後頭部をぽんと叩いた。