第20章 宝物
「あの人、行っちゃったね」
「お~い! シャチー!! 追っ手、来てるよ~」
ベポがシャチに撤退を促し、シャチを待って3人は走り出した。
アルコは走りながら振り返る。
銃などを隠すことなく携えた数人の追っ手。「誰がやったんだ」「どこへ行った」などと言っているのが聞こえる。
(………追って来たのは、海軍?)
「ねぇ………あれ、海軍じゃないの?」
「どうせ海賊だろ。あんな人相悪い海軍がいるかよ」
(いや、いるんだよ。海軍にも、悪人面のヤツが)
まぁ………いいか。
今のシャチの行動は………なんだかルフィ達みたいだった。少し速度を落としたシャチに走って並びながら言う。
「いいね。正義の味方の海賊」
「いや………正義の味方っていうより、『女の味方』?」
「ははっ。
シャッチーのそういうとこ、いいと思う」
「なんだよ、シャッチーって。
おれに惚れるなよ」
「わかった。気をつける」
「おいっ!」
「うわっ」
ベポが急に止まったので、アルコとシャチはその毛並みに激突した。ベポは真剣な顔で振り返って二人に言った。
「豆屋はこっちじゃない」
*
「ありがとう。おかげで奪い返せたわ」
女は“CC”と書かれたピンク色のジュラルミンケースの中身をチラリと確認してから、涼しい顔で通りの人混みに紛れて行った。